事例・お客様の声 Project

東京から50分で叶えた理想の住まいと豊かな暮らし

住まいのインタビュー
東京から50分で叶えた理想の住まいと豊かな暮らし

伊豆の玄関口に位置する静岡県三島市は、富士山や伊豆・箱根方面など、観光地へのアクセスがよく、東海道新幹線の停車駅であるJR三島駅があることから、近年では沼津市、富士市と並んで首都圏からの移住者が多い街だ。
Nさんが神奈川県横浜市から静岡県三島市に自宅を建てたのは今から3年前のこと。東京の会社に勤めながら三島市に移住したNさん家族が手に入れた理想の住まいと暮らし方・働き方とは?

東京まで新幹線で50分だからできること

妻の職場がもともと静岡県なんです。

都内の会社に勤めるインテリアデザイナーのNさんは、妻と子どもの3人家族。三島で暮らしながら、新幹線で50分かけて通勤している。

私が三島市に移住を決めた理由は、妻が勤める裾野市の職場に近いことと、新幹線通勤が可能なことですね。私自身はいつか自分の家を建てたいと思っていましたが、都内では戸建てはおろか、マンションを購入することさえ難しいと感じていました。静岡県に住みたい妻と、家を建てたい私の願いを叶えるため、三島市への移住とテレワークができる+Oスペース*(ワークスペースのこと。以下、+Oスペース)を備えた家を建てることにしました。

JR三島駅から北へ車で10分。閑静な住宅街を抜けた坂の上に、3人が暮らす家がある。住宅密集地からも離れたそこは、道路に面した南側には畑、背後には神社につながる雑木林が広がった静かな場所だ。

土地は裾野市へのアクセスを考えて三島駅の北側エリアで探していました。条件は区画されていない静かな場所。家は自分たちで自由に設計したかったので、ハウスメーカーの条件付きの分譲地などを外すと選択肢が限られていき、土地探しのため5、6回は三島に足を運んだと思いますが、半年で決まりました。

光と自然、家族の気配を感じる家

2つの片流れ屋根によって周辺環境と調和が図られた外観と、南に大きく広がる開口部によって周辺の豊かな緑を取り込んだ明るく開放的なリビング・ダイニング。美しい梁のあらわし天井。
友人の建築家に依頼したという住宅は、立地の希望を奥さんに譲った分、Nさんの希望を叶えたこだわりの家だ。なかでもご夫婦がこだわったのは、リビングから2階へとつながるリビング階段と吹き抜け空間だという。

子どもが玄関から直接自分の部屋に行かないように、リビング階段にしました。さらに、ちょうどリビングから見上げたところが子ども部屋になっていて、室内窓を取り付けることで声も明かりも届くようになっています。将来子どもがそれをどう思うかわかりませんが、家族がどこにいても、お互いになんとなく気配を感じられるような家にしたいというのが夫婦の希望でした。

また、2階の廊下の一角に設けた+Oスペースは、リビング・ダイニングの心地よい空間とゆるやかにつながりながら、2階の高窓からの光が差し込む、隠れた特等席になっている。

極力廊下を少なくしたかったので、廊下の一角に+Oスペースを設けました。ここは北側に窓があるので、裏の木々の自然も感じつつ、南側からは光が入るのでわりと明るく、冬も暖かくて気に入っています。私が仕事をしている日中は、妻は仕事で家を空けるので、家族の生活音が気になることはありません。

リモートワークで手に入れた家族との時間

新型コロナウイルスの感染症拡大期には、フルリモートで働いていたが、現在は週1、2回ほど家で仕事をしているという。テレワークという働き方は、Nさんの生活にどのような変化をもたらしたのだろうか。

コロナ禍を経て会社の体制も変わりましたし、僕らの仕事のやり方も変わりました。実際にテレワークを経験してわかったことは、デスクワークやミーティングなど、意外と家でできることが多いということですね。とはいえ、プロジェクトメンバーとのミーティングや内装材のカタログなどを見るために会社に行くケースもありますし、当然クライアントとの打合せや施工現場に行くこともあるのでずっと家で仕事をしているわけではありません。また、午前中はテレワークで午後から名古屋に出張ということもあります。そういった意味では西への移動が便利になりました。

繁忙期には仕事が夜遅くなることもありますが、そういった時こそテレワークのメリットを実感します。出社していると、1週間子どもの顔をろくに見ないこともありましたが、仕事が遅くなる時は子どもが寝る前に帰宅して、子どもが寝てからまた働くといった働き方が可能になりました。多様な働き方をある程度許容する会社の環境が整ったことで、仕事の時間も家族との時間も確保できるようになりました。

移住で変わった毎日の暮らし

趣味は登山やキャンプ、スキーというアウトドア派のNさん。首都圏から自然あふれる三島市へ移住したことで、生活はどのように変わったのだろうか。

趣味の登山は、首都圏の渋滞を抜ける必要がなくなったので、アクセスがしやすくなりました。また、家を建ててから家庭菜園を始めました。夏には子どもも家で採れたトマトを食べています。冬はサボりがちですが、ご近所の方にお野菜をわけていただくこともありますね。近くの神社のお祭りに参加するなど、程よい距離感で地域のコミュニティに参加しています。

しかし一番変化を感じるのは、普段の何気ない暮らしの中にあった。

北側の窓と南側の窓を開けると、とても気持ちのいい風が通るんです。自宅でひとり仕事をしていると小鳥の鳴き声が聞こえたり、時間とともに日がゆっくりと傾いていくのを感じたりする生活というのは、都心にいた頃とは全く違いますね。

毎日の暮らしの中で、季節の移ろいや時間の移ろいを感じながら、家族とともに自然の中に身を置いて暮らす時間。それが三島に移住して手に入れたものなのかもしれません。

(*)+O(プラスオー):静岡らしい住まいにオフィス空間をプラスした住環境のこと。「住まい+Office」から静岡県が作成した造語

Information

所在地 三島市徳倉
設計者 STUDIO RAKKORA ARCHITECTS
(https://studiorakkora.com)
施工者 株式会社梅原建設
(https://ume-ken.com/)
工事種別 新築
建物概要 木造2階、延床面積 約111㎡