事例・お客様の声 Project

美しい街並みからはじまる、ゆとりある「職住一体」の暮らし

住まいのインタビュー
美しい街並みからはじまる、ゆとりある「職住一体」の暮らし

静岡県の中部、大井川の両岸に位置する島田市は、静岡を代表する茶処として知られる自然豊かな街だ。JR東海道線、新東名・東名高速道路、富士山静岡空港、国道1号など、都市部へのアクセスが良く、暮らしやすい街として人気が高まっている。
2023年11月、島田市内の分譲地〈しまだみそらガーデンプレイス〉に〈+Oの住まい〉を実現した4棟のモデルハウスが完成した。コロナ禍を経て、新しい時代に求められる静岡らしい「職住一体」のかたちとは?

静岡らしい自然豊かでゆとりあるまちづくり

JR島田駅から徒歩21分の好立地に、自然と調和した美しい街並みの分譲住宅地〈しまだみそらガーデンプレイス〉が誕生した。緩やかなカーブを描くメイン道路。低層住宅地ならではのゆったりとした街並み。隣接するおひさま公園から続く、緑溢れる景観と賑やかな子どもたちの声。豊かな住環境を追求したこの分譲住宅地は、どのようにして生まれたのだろうか。

この辺りにはもともと田んぼや畑が広がっていましたが、土地所有者の高齢化などにより、耕作が続けられない土地となっていました。

お話を伺ったのは、〈しまだみそらガーデンプレイス〉を造成した〈大河原建設〉の朝倉大輔さん。

この土地は市の都市公園の区域であったため、その一部は島田市によっておひさま公園が整備されましたが、残りの土地は整備されないまま残されていました。そこで弊社では島田市と協議を重ね、景観協定を結ぶなど、周辺に調和し隣接したおひさま公園を活かした分譲住宅地として整備する計画をスタートさせました。

〈大河原建設〉では、2015年に造成した〈しまだあさひガーデンプレイス〉と今回整備した〈しまだみそらガーデンプレイス〉において、自然と調和するゆとりある住環境と、これを持続する仕組みが整った分譲地として、静岡県の「豊かな暮らし空間創生住宅地」認定を取得している。

家と家をつなぐコモンスペース

こちらの分譲地は、静岡らしい自然豊かなゆとりある街並みをつくるため、景観デザインと住宅管理の専門家お2人を監修者として招き、一緒にまちづくりや住宅の設計、維持管理手法などを進めました。

朝倉さんの案内で真新しい住宅地に足を踏み入れると、そこは従来型の個の住宅が整然と並ぶ住宅地とは異なり、プライバシーに配慮されつつも住民同士のコミュニティが醸成されるような、ゆったりとした風通しの良い空間が広がっていた。その理由は、この分譲地の一番の特徴でもある、コモンスペースと呼ばれる共有空間の存在だろう。ここでは複数の住宅が向かい合うように建ち並んでおり、住宅間のコミュニティ道路をコモンスペースと捉え、一つの住宅群を形成しているという。また、住宅地全体をひとつの景観として繋ぐために重要な役割を果たしているのが、住宅地の内に広がる緑地の存在だ。

ここでは生け垣やシンボルツリーなど敷地内の緑化や建物の色彩などの配慮をお願いしています。また、景観だけでなく、道路の形状や色の工夫により、地区内の安全で快適な暮らしにも配慮しています。

住宅地内のメイン道路は、通過交通のない袋小路(クルドサック)とすることで、住宅地に用のない車が通り抜けできないよう計画されている。さらに道路をカーブさせ、イメージハンプという視覚的に段差をイメージさせる舗装とすることで車の走行速度を抑制している。

こうすることで、コモンスペース内の安全が確保でき、子どもたちが安全に遊ぶことができます。
また、住宅地内は広い道路幅員や歩行者専用路地(フットパス)によって、住民同士の交流機会が増え、顔が見えるコミュニティの形成が防犯にもつながっていると思います。

後世に美しい街並みを残すために

この住宅地では、個々の住宅が日本の風土に合った街並みの一部となるように、建物の外観や屋根の勾配などに一定のルールが設けられています。

建物は、庇(ひさし)のある切妻の母屋(おもや)に下屋(げや)を組み合わせた住宅をお勧めしています。最近は1階と2階が同じ面積で造られた総二階の形状が増えていますが、「母屋+下屋」の組み合わせで街並みのまとまりと各家の個性が両立を図っています。また、下屋を設けることで夏の強い日差しを適度に遮り、雨や雪から外壁を守ることができますし、隣近所との日当たりや風通しにも配慮した快適でエコな住宅をつくることができます。

植栽や外構、屋根の形状などのガイドラインは、いま現在の街並みだけでなく、世代交代をしても美しい街並みを継承できるようにするために設けられているものだ。また2024年6月には、ガイドラインだけでなく、景観協定運営委員会を立ち上げて、緑化の手入れやコミュニティの運営に関わっていくという。

ご近所付き合いや地域のコミュニティを敬遠される方もいますが、先に造成した〈しまだあさひガーデンプレイス〉の経験から、今の時代に合った新しいコミュニティの在り方を求めている人はいると実感しました。本来であれば、建設会社である弊社がコミュニティづくりにまで踏み込む必要はないのかもしれません。それでも美しい街並みを残すには必要なことですし、この先何十年と経っても、地元に良い景観を造ったと言えるような仕事をしたいと思っています。

住む人の自由な発想でつくる職住一体の豊かな暮らし

〈+Oの住まい〉を実現したモデルハウスは、コモンスペースを囲む4棟でひとつの街並みが作られているというのがコンセプト。仕事と暮らし、自然と街並み、家族の居場所や地域のコミュニティ。さまざまなモノやコトをつなげる先進的な住宅地において、豊かな暮らし、豊かな働き方を叶える住まいとはどんなものなのだろうか。

コロナ禍を経て、住まい方や働き方の価値観は大きく変化しています。弊社では、住む人の自由な発想で職住一体の豊かな暮らしが実現するため、すべての家にテラスを設け、家から庭、そしてコモンスペースへとつづく開放的な空間づくりをしています。

住宅地にあるモデルハウスのひとつでは、玄関からすぐの部屋が+Oスペース*(ワークスペースのこと。以下、+Oスペース)になっていて、さらにテラスへと続いているので、デスクワークだけでなく、ネイルサロンや教室のスペースとしても利用できます。4棟はすべて間口がコモンスペースに向かって開かれているので、家をプライベートな生活空間と仕事用のパブリックな空間に分けて、色々な人が出入りする家というのも、ひとつの考え方になると思います。

さらに、子どもの成長に合わせて間取りを変更できるようにするなど、多様な価値観や生活スタイル、家族構成の変化に対応できるようになっている。

最近の住宅は、動線や収納、太陽光などを重視した家づくりが主流ですが、これからの時代には、効率やスペックの前に「暮らすことの楽しさ」を大切にした「ゆとり」のスペースが必要だと思っています。コモンスペースで遊ぶ子どもたちを見ながら、仕事や家事をする。天気の良い日はテラスで仕事をする。大人も子どもも、自由に+Oスペースを使って仕事や勉強をする。そういった日常のなかに、本当に豊かな暮らしや働き方があると思っています。

(*)+O(プラスオー):静岡らしい住まいにオフィス空間をプラスした住環境のこと。「住まい+Office」から静岡県が作成した造語。

Information

所在地 島田市向島町、若松町
設計・施工者 大河原建設株式会社
(https://atorie.ohkawara.jp/)
工事種別 新築
建物概要 木造2階、延床面積 約104㎡、ほか3棟
ホームページ https://shimadamisora-gp.com/